着物買取の基礎知識

査定額はどのように決まるの?着物買取の査定基準を詳しく解説

着物買取では、品目ごとに大まかな買取相場があるものの、実際に着物を査定スタッフに見せない限りは、明確な査定額はわからないものです。

しかし、着物買取において、「各買取店のスタッフがどのような基準で査定しているのか」という点は明確です

判断基準を知ったうえで、一度、たんすに眠る着物を見てみると、「高額な査定となりうるか?」を予想することができます。

そこで、この記事では、着物買取の主な査定基準について解説します。

着物買取の主な査定基準

着物買取の査定基準には、主に以下のようなポイントがあります。

チェック箇所 ポイント
生地の素材 絹製
→値段がつく
絹以外の材質
→値段がつかない、または少額
生地の状態 良い・未使用
→値段がつく
悪い
→値段がつかない、または少額
ブランド性 有名作家・有名産地・有名呉服店の品は高額になりやすい
丈・サイズ 大きめ(165cm以上)なら、より高額での買取となる
付属品 証紙や購入時の箱などがあれば、高額査定になりやすい

以下、1つずつ解説していきます。

①生地の素材:絹製であるかどうか

まず、着物の素材は買取のうえで大きなポイントです。

着物の買取対象は、絹製であることが基本です。

一方、化学繊維やウール製の着物は大量生産されており、希少性が低いため、値段がつきづらいとされています。

②生地の状態:良ければ値段がつく

着物の生地の状態が良ければ良いほど、買取額は高くなるというポイントは、着物買取の基本です。

「状態が良い」という判断は、次の2つの観点から行われます。

  • 未使用品に近いものかどうか
  • 生地の汚れや傷が深刻でないかどうか

まず、未使用品、または未使用に近い品は、査定の際に評価が高くなります。再販がしやすいからです。特に、仕付け糸が付いたままの着物を高額で買い取っています。

仕付け糸」とは、着物の購入時に、袖口・襟口などに縫い付けられている糸のことです。

未使用品でなければ売ることができないということなの?
舞子
舞子
いいえ。「未使用品でなければ売ることができない」というわけではありませんから、安心しましょう。もちろん、中古の着物の買取も行われています。

しかし、シミや傷みが深刻な着物は、どれほど由緒正しい着物であっても値段がつきづらくなってしまいます

③ブランド性:有名着物は高額買取

買取相場の低い着物の種類であったとしても、その着物が有名作家のものや有名産地のもの、有名呉服店のものであれば、高い価値が証明でき、査定額が高くなります。

有名作家の着物であるかどうか

有名作家による着物や、有名ブランドの着物は、高額査定の可能性が高いです。

下記の作家ものが、有名着物とされています。

  • 由水十久 (ゆうすい とく)
  • 久保田一竹 (くぼた いっちく)
  • 北村武資 (きたむら たけし)
  • 羽田登喜男 (はた ときお)
  • 木村雨山 (きむら うざん)
  • 喜多川平朗 (きたがわ へいろう)
  • 小宮康孝 (こみや やすたか)
  • 玉那覇有公 (たまなは ゆうこう)
  • 柿本市郎 (かきもと いちろう)
  • 上野為二 (うえの ためじ)
  • 与那嶺貞 (よな みねさだ)
  • 中村勝馬 (なかむら かつま)
  • 古賀フミ (こが ふみ)
  • 宗廣力山 (むねひろ りきざん)
  • 山田貢 (やまだ みつぎ)
  • 平良敏子(たいら としこ)
  • 志村ふくみ (しむら ふくみ)
  • 森口華弘 (もりぐち かこう)
  • 田島比呂子(たじま ひろし)
  • 青木滋芳 (あおき しげよし)
  • 川島甚兵衛 (かわしま じんべい)
  • 伊達弥助 (だて やすけ)
  • 北出与三郎 (きたで よざぶろう)

有名産地の着物であるかどうか

また、由緒正しい産地で作られた着物も価値が高いため、買取額も高くなりやすい傾向があります。

具体的には、以下のような着物が有名産地のものとされています。

  • 友禅
  • 江戸小紋
  • 絞り
  • 紅型
  • 大島紬
  • 本塩沢
  • 結城紬
  • 読谷山花織
  • 首里織
  • 琉球絣
  • 越後上布
  • 小千谷紬
  • 琉球紅型
  • えぞ織
  • 長井紬
  • 牛首紬
  • 伊那紬
  • 天蚕紬
  • 群上紬
  • 大石紬
  • 丹波布
  • 出雲絣
  • 久留米絣
  • 綿さつま絣
  • 八重山上布
  • 宮古上布
  • 芭蕉布
  • 琉球紬
  • 能登上布
  • 読谷山花織
  • 本場黄八丈
  • 本場久米島紬

有名な呉服店の着物かどうか

有名な呉服店で購入した着物は高額査定になる可能性があります。

購入時の領収書や、購入時に付属していた「たとう紙」などをもとに、有名呉服店の品かどうか判断できる可能性があります。購入時のものが残っている場合は念のため残しておき、着物とセットで査定に出してみましょう。

④丈・サイズ:大きめなら高額査定

丈の長さや、サイズの大きさも、査定のポイントとなります。

大きめのものは、高額査定となりやすいです。具体的には、身長165cm以上の着物が「大きめ」と判断されます。

買い取られた着物は、その後再販されます。昔の人に比べ、現代人の身長は高くなっているため、丈の高い着物の需要が高くなっています。

また、「背が比較的高い外国人観光客へのレンタルに、着物が使われることが多い」という背景もあります。

⑤付属品:証紙などがあれば、高額査定になりやすい

付属品の有無も、査定ポイントとなっています。

特に、「証紙があるかどうか」が重要な点です。

証紙とは、着物の品質や産地を証明する紙のことです。証紙は捨てずに、また忘れずに、着物と一緒に査定に出しましょう。

舞子
舞子
証紙の有無によって、査定金額が倍以上変わってしまう場合があります。

また、付属の小物や上着など、着物についていたものがあれば、合わせて査定に出すことで、価値が上がることがあります。

場合によっては、購入時の箱や収納袋なども揃えておくことが高額査定のポイントとなることもあります。

まとめ

以上、この記事では、着物買取の査定基準について解説しました。

最後に、査定のポイントをおさらいしましょう。

  • 絹製であるかどうか
  • 有名な産地・作家・呉服店の着物であるかどうか
  • 生地の状態が良いかどうか
  • 丈・サイズが大きいかどうか
  • 証紙や付属品などが揃っているか

査定基準が事前にわかっていれば、着物買取に対する漠然とした不安も小さくなりますね。

査定当日の前に、チェックポイントをもう一度チェックしてみましょう。

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